ブックマットとは、窓を開けた表側のボード(オーバーマットやウィンドウマットと呼ばれています) と、プリントを支える裏側のボードを、本のように一辺をヒンジして綴じるマットの形式です。マットによる適度なマージンが作品をより引き立たせてくれます。

作品を長期保存するためには、マットの材料に良質な物を使う必要があります。多くの美術館やギャラリーでは、一般にミュージアムボードと呼ばれる、綿の繊維で作られたボードや、国産のピュアマットという綿繊維とパルプ混のボードを使用しています。 リグニンを含まない純度の高い繊維を使ったボードで、吸湿性があり、外気から作品を保護してくれます。 額装するときはブックマットをそのまま額に入れればよく、プリントに直接触れることなく手軽に作品を扱えるので、物理的損傷の機会も大幅に減少します。マットをしてあればプリントとガラスの間に空間が出来るので、ガラスの雑菌による汚染や、ガラスとの癒着を防ぐことができます。

多くの作品を持つ美術館やコレクターの方は、作品をブックマットした状態でストレッジボックスやミュージアムケースなどの保存箱に保管して、展示する時だけ額に入れています。

参考:ブックマットのススメ